行定勲最新作「劇場」レビュー Amazon primeで配信!withコロナの映画になるか?

こんにちは、やっと最近映画館が再開され、

新作映画が少しづつ公開されていますが

それもまだ一部ですよね(涙)

私も今年に入り、映画関連のお仕事は全て

キャンセルとなり、楽しみにしていた

レッドカーペット取材も試写会もなく

悲しい限りです。

2020年は邦画も洋画も大作が多く、

映画ファンとしては期待をしていただけに早く

全ての映画が公開されて欲しいと

切に願います。

そんな中、今回紹介する映画「劇場」は

作品自体も素晴らしいですが

これからのウィズコロナ時代の日本映画界に

一石を動じることができるか!!と期待されている方も多い作品です。

 

CMなどでもご存知の方も多いと思いますが、

この映画、まず公開が全国20のミニシアターとAmazonプライムビデオでの同時配信での
公開のみ。

邦画の公開同時配信ということは日本初の試みです。

この時代ですから、ありの手法と思いますが、そこには制作者達には色々と複雑な思いも
あったようです。

 

作品自体は、原作がピースの又吉直樹さん。
監督が「世界の中心で愛を叫ぶ」「GO」などで、

皆さんもご存知の行定勲監督。

そして、
主演が山崎賢人さんに松岡美優さんと聞いただけでも

非常に期待できそうな作品って思いますよね?

本来なら280の全国の映画館で4月に公開される予定だったのですが、

緊急事態宣言が出てしまって公開延期せざるを得なくなったんです。

すでに、宣伝活動とかキャンペーンも終わっていた矢先だったので、

関係者の方の心中は想像以上に大変だったと思います。

それでも、じゃあ他の映画のように今から公開すればいいじゃない!?

と色々と疑問をもたれる方も多いと思いますが、なかなか、映画ビジネスって難しくて、

そうは行かなかったようなんです。

 

じゃあ、どいうわけで配信になったのかの疑問は

くみシュランPointでお伝えするとして

作品自体のお話しをすると、観賞した私が言えるのは、

この作品、どんな形にしても、私は観れてよかったと思いました。

ただ、観た方の意見が2つにパッキリ分かれる作品だと思います。

好きな人は何度もリピートするし

共感ポイントがないという人はお好きじゃないかもしれません。

でも、私自身、今年の映画賞に名乗りを上げる作品じゃないかと予感する作品です。

海外の評論家に評価高そうなタッチの映画な気がします。

もし、これが評価されたら、邦画もウィズコロナ時代の一歩を踏み出すんじゃないかな???

ぜひ踏み出して欲しいと作品力と配信もアリだよねって期待したいです。

配信することで新たな映画ファンも増えるかもしれないし

映画館でリピートはぜひたいと思える作品が増えるかもしれない。

そんな意味でいうと間違いなく、劇場は

いつかこの状況が落ち着いたら、作品受賞作品として、広いスクリーンで観てみたい作品です。

 

 

 

解説

又吉直樹の異例の大ヒット恋愛小説山﨑賢人×松岡茉優×行定勲監督が贈る観た者の心に永遠に残る恋愛映画作家・又吉直樹が「火花」で芥川賞を受賞する前から書き始めていた、作家の原点とも言える小説「劇場」。

「恋愛がわからないからこそ、書きたかった」と又吉自身が語るこの恋愛小説は現在の原作累計発行部数は約50万部、恋愛純文学として異例のベストセラーとなり、今もなお、多くの人の心をとらえて離さない一作となっている。

「劇場」の映画化にあたり、監督を務めるのは、『GO』(01)、『世界の中心で、愛をさけぶ』(04)、『ナラタージュ』(17)など、時代ごとに日本映画界に新しい風を送り続けてきた行定勲監督。

本作では、恋愛における幸せと背中合わせのどうしようもない葛藤や矛盾を真っ向から描き、令和の時代に新たな恋愛映画の風を吹かせる。
主演を務めるのは、興行収入57億円を突破した『キングダム』(19)の大ヒットの記憶も新しい、今最も輝く俳優・山﨑賢人。ヒロインを務めるのは、『万引き家族』(18)で世界に認められた若き実力派女優・松岡茉優。共演には、永田と中学時代からの友人で共に劇団「おろか」を立ち上げる野原役に寛一郎、「おろか」の元劇団員で一時は永田と仲たがいするものの、友人として永田を心配する青山役に伊藤沙莉、永田と同じ年ながら演劇界のホープと唄われる演劇人・小峰役には、King Gnuのボーカル・井口理といった個性的な俳優・アーティストたちが揃い化学反応を起こしている。恋をしたことがあるすべての人、かつて夢を追いかけたすべての人に贈る切なくも心を震わせる、誰もが胸に秘める忘れられない恋を描いた『劇場』。

観た者の心に永遠に残る”恋愛映画”が、新しい時代に誕生する―。

配給:吉本興業

                               引用:映画「劇場」公式ホームページ

 

くみシュランPoint①withコロナ時代の映画の形か

正直、最初にネットとの同時配信と聞いたときは正直、驚きました。私はどんな形であれ作品が観られるということがは嬉しいですし、コロナこの状況だと、不安で映画ファンの中には映画館に行きたいけどいけないという人もいるのは事実です。

だから、私自身は賛成なのですが、業界の中にはネット配信映画は映画ですじゃないという人もいるのも事実です。

これについて、行定監督自身も相当悩んだそうです。撮影する時も、キャンペーンで宣伝していた時も「映画」としてお話しされて制作し、世に送る出そうと思ったのですから。

 

映画人にとってネット配信するって、皆さんの想像以上に
ハードル非常に高い問題なんですよね。

それでも、配信を決意した理由その理由については

こちらで詳しく記載されているのでご覧いただければと思います。

https://news.yahoo.co.jp/articles/611e764281062dc7f8c437f1ac6fcb2bc54158d9

 

Amazonが行定監督のシアターでもやりたいという思いを組んでくれた、そして全世界で配信してくれるという

この作品を評価して大切に思ってくれた結果、この配信とミニシアターという結果につながったと思います。

でも、この配信作品、ご存知の方もいらっしゃるかもしれませんが、

ハリウッドでは昨年すでにスタートしていて
Netflixで配信された「ROMA/ローマ」はアカデミー賞で3部門受賞しているです。

ハリウッドでは当たり前になりつつある配信という形。

作り手が映画という部門なら、映画だと私は個人的に思います。

 

くみシュランPoint②主役2人の演技が光る

スター山崎賢人さんが俳優山崎賢人にこの映画ではなったな・・・と感じます。
これまで、キラキラしたイメージが強く、イケメン俳優という印象が強かっただけに、

一皮むけた感じがしました。
これだで、脇役含めて周りに実力派俳優陣がいると、少し浮くのでは?

と思いましが、しっかり馴染んでいて、
本気でどうしようもないダメな男の葛藤を演じていました。

それでも、どこか優しさも滲み出ていて・・・
女性ならさきちゃんが永田に惹かれてしまうと思います。
それはやはり俳優山崎賢人が演じだ故の魅力なんだろうなって思いました。

作品の1番の台詞「一番会いたい人に会いに行く。
こんな当たり前のことがなんでできなかったんだろう」ってシーンは
胸が苦しくなるくらい刺さり

切なくなりました。

そして、松岡美優さん

この人ってやはり映画でさらに演技が光る女優さんですよね。

今回、ピュアでダメな男を献身的に支え
自分が崩壊していく女性を演じてましたが。

その様が本当にうまい!の一言。

自然体の演技でいて、

観客をその魅力と共感の世界に引き込んでいく。

本当にはまり役です。

夢を追う男とそれを支える女性。

音楽の世界や、舞台の世界ではよくありそうだし、
実際にある話で、下北沢には溢れているのかもしれませんが

最後にその形を切なく昇華する。

それを若手二人が見事に演じていて

ナイスキャスティングでした。

みシュランPoint③行定監督✖︎又吉ワールド

 

毎回監督の作品が公開される度に新しい魅力があって、驚かされます。
台詞の美しさとか、ノスタルジックな感じとか、
行定ワールドは今回も残しつつ。

淡々と大袈裟に表現するのではなく、
感情の部分をナレーションで表現する部分など、
又吉さんの原作の世界観も崩さず、

個性の強い原作者と監督の世界観のコラボレーションがとても自然でした。

そして、最後のエンドロール後の演出。行貞監督の映画、

そして映画館への愛を感じました。

 

この記事を書いた人

塚本 くみ子

鹿児島生まれ。小さい頃から体が弱く体力もない、幼少期。
小学三年生の時、父の仕事の都合で3年間奄美大島へ。ここで運命が動く。虚弱体質だった少女は自然と太陽がいっぱいの精霊の島で過ごすうちに元気になり、自信をみるみるつけていく。好奇心旺盛ポジティブモンスターの誕生★学生時代は父の仕事の都合で、鹿児島→長崎。その後、大学で上海へ。
広島→石川県のテレビ局でアナウンサー・レポーターとして約20年(現在は一般職)報道から情報番組グルメ番組などのMCを務める、映画関連の番組は業界に入ってからずっと、20年間担当。(現在も担当)元々アジア映画が好きで中国の大学に進んだ経緯もあり。もし、アナウンサーにならなかったら、映画配給会社の宣伝か獣医になりたかった。
映画の番組へのスタイルは一貫して、作品を観て、自らインタビュー取材もするスタイル、その間インタビューさせていただいた方は、ハリウッドから日本映画界まで監督・俳優約200名以上。私の財産です。
年間プライベートも含めて200本以上は観賞。自他共に、認める映画マニア。

そして「食」。食に関しては業界でも聞かれるほどのグルメ。高級なもの方B級まで。食べるのは作るのも食べるのも好き。本人のお店を決める基準はコスパ重視。石川県のゴールデンタイムのグルメ番組を担当していたこともあり、県内のお店には詳しい。プライベートでも、美味しいお店があると聞けば友人とグルメパトロール。また、作ることも好きなので、和食からイタリアンまでプロの料理人に料理を習い、自宅でも食べることを楽しむ。日本だけにとどまらず、美味しいお店を探してのグルメパトロールはヨーロッパやアジアへ。そして、旅行先では必ず現地の料理教室に通い、徹底的に食を楽しむ。
また、番組でも定評があったのは食べる所作の美しさ。これはマナー教育の賜物。実は、国際プロトココルマナー講師の資格を持つ(世界で通用するマナー)現在はセンスを磨くために国際イメージコンサルタントの資格に向け勉強中。自分に栄養を与えるのが大好き。人か喜んでくれることも大好物。
また、海外の大学在学中に学んだ漢方の知識を生かして、薬膳料理の資格も取得。(一昨年は、台湾でショートホームステイし、薬膳料理のブラッシュアップも)また、最近はサプリメントも勉強中。食だけでは補えない栄養素のを学び中。