本とは違う魅力的映画「マチネの終わりに」

人生の中で、あの人と、もし結ばれていたらどうなっていただろう

って恋愛、それぞれの人生で一度はありますよね。

累計発行部数が50万部を突破した

ベストセラー『マチネの終わりに』(平野啓一郎著)を

映画化した作品「マチネの終わりに」。

作品の原作は、まさにそんな大人恋愛のお話の本です。

長い年月のお話なので長編小説でちょっと時間をかけて読んだ気がします。

原作の前書きとかあとがきを読んでいると、

なんか実際にモデルとなる人物たちがいるようで、

最終的にどうなったのか気になるところですが。

恋愛だけでなく、もう一つテーマがあるので40代以上の方

色々と自分の人生について考えるきっかけになるかもしれません。

 

 

(解説)たった三度会ったあなたが、誰よりも深く愛した人だった―

東京・パリ・ニューヨークの彩り豊かな街並みを舞台に、音楽家とジャーナリストの男女二人が、出会い、悩み、そして愛した六年―原作は、芥川賞作家・平野啓一郎の代表作「マチネの終わりに」。ラブストーリーでありながら、人生の苦悩、世界の分断や対立といったテーマを織り交ぜ、登場人物たちの心情の変化を緻密に描き出し、大きな話題を生んだ。主演は、アーティスト、俳優として、常に第一線で活動を続ける福山雅治。天才ギタリストとして名を馳せるも、現状の演奏に満足が出来ずに自分の音楽を見失い苦悩する蒔野聡史を熱演。そして、蒔野と惹かれあうジャーナリスト・小峰洋子役には映画、ドラマ、CMなどあらゆるジャンルで活躍する女優・石田ゆり子。運命に翻弄されながらも、六年の歳月を歩んだ男女の姿を二人が情感豊かに演じる。さらに、伊勢谷友介、桜井ユキ、木南晴夏、風吹ジュン、板谷由夏、古谷一行ら、まさに実力派俳優陣が集結。愛とは何か、人生とは何か。今冬、切なくも美しい大人の愛の物語が、ついにスクリーンへ。

交錯する想い、あらがうことの出来ない運命情熱と

現実の間で揺れ動く二人の愛の行方とは。

キャスト

福山雅治 石田ゆり子
伊勢谷友介 桜井ユキ 木南晴夏 風吹ジュン
板谷由夏 古谷一行監督西谷弘原作平野啓一郎「マチネの終わりに」脚本井上由美子音楽菅野祐悟クラシックギター監修福田進一

配給 東宝

Ⓒ2019 フジテレビジョン アミューズ 東宝 コルク

東宝公式ホームページより引用

くみシュランPoint①音楽・景色・光が美しい

この映画、海外での撮影だったからこそ、こんな美しい演出が完成したんだろうと思います。

窓から差し込む光や、部屋の中での陰影。そして、ギターの音色での感情に沿った演出。

随所に出てくる、それぞれの土地の美しい景色。

映画ならではの演出をふんだんに盛り込んでいて、原作の世界観を見事に映像演出しています。

 

 

 

くみシュランPoint②二人の女性

「愛される方が幸せか、愛する方が幸せか

永遠のテーマですよね。

だから、原作を読んだ時、洋子・早苗それぞれの目線で見ました。

そして映画でも・・・れぞれの立場になって観賞しました。

 

主人公の洋子に対しては、熱烈に愛を告白されて

婚約者がいながら他の人に惹かれてしまう葛藤。

愛される女。

 

早苗に関しては、彼をを好きな故に、やってはいけない行動をとり

二人が結ばれるのを阻んでしまう。

愛する女。

 

彼女たち二人に対しては、「婚約者がいながら!!不義理」とか早苗の行動には

「好きだからってあの行動はルール」などと賛否両論ありますよね。

 

私も、若いうちならそれぞれ同等の意見を思ったかもしれません。

 

でも、今の年齢だから、どちらの気持ちもわかってしまう。

洋子の気持ちも、早苗の気持ちも行動も・・・。

 

しかし、早苗のようにパンドラの箱を開けて、行動してしまっても

最終的には、本当の意味でその人を手に入れられないって。

この年だからわかったりもするんですよね。

結局、槙野の中で洋子は時間がすぎればすぎるほど

ずっと生き続けていて・・・かけがえのない人になっちゃったりするんですよね。

 

 

でも、2人のように本当に天才・才能のある男性に出会ったら

私はどっちなんだろうって。。。

彼の名脇役でいたい。サポートしていたいって

思うのかもしれません。

そんな、現実逃避・妄想しながら観るのも、おすすめです。

 

くみシュランポイント③2つのテーマ

この映画には「揺れ動く大人の愛」というテーマと「40代からをどう生きるか」という

2つのテーマがあると、原作者の平野敬一郎さんがインタビュー語っています。

「『愛』の要素で言えば、愛する人に愛されて生きていきたいか、

愛したい人を愛し抜いて生きていくか、ということ」それぞれの人生の中で

あの人ともし結ばれていたらどうなっていただろうとか、そ

ういう叶わなかった思いというのが記憶の中にあると思うんです。
物語を通じて、改めて自分の過去と静かに対話して、

そうするともしかしたら、ずっと心の傷だったけど、

今では懐かしく振り返れるかもしれないし、

そういう風に自分自身の過去と穏やかに和解できるような

気持ちになれればいいかなと思います。」

と語っています。

作中何度も、出てくる、「未来が過去を変えられる」

そこには作者のメッセージが込められているんですよね。

この言葉、恋愛だけじゃなく、「今の自分が未来の自分を作る」って言葉と同じように、

人生全てに言えることですよね。

もう一つのテーマの40代からをどう生きるかにも繋がっているような・・・

人生100年時代。特に今回のコロナで、仕事について、

自分の人生について考えた人は多いと思います。

今は昔と違って企業に努めているからと言って安泰とは限りません。

自分の人生の主人公は自分であり、人生は一度きり。

40代だから20代だからって関係ないきもします。

どうしても、歳を重ねると、いろいろな事を経験したり

安定していたりすると、新しい事にチャレンジするパワーがなくなります。

でも、最近、私の周りでも50代以上で新しい世界にチャレンジする人が増えていて

そんな方を見ていると、何歳でも新しい事にチャレンジして

後悔ない人生を生きた方が幸せそうだし毎日が充実しているんだなと思います。

この記事を書いた人

塚本 くみ子

メディア界での豊富な経験を活かし、現在は多彩な分野で活躍するコミュニケーションのプロフェッショナル。北陸朝日放送(テレビ朝日系列)にて約20年にわたりアナウンサーとして第一線で活躍。その間、番組制作や会社広報、イベントプロデュース、営業、新規事業開発など、放送局の様々な業務に携わり、幅広い実務経験を積む。
2020年の独立後は、その経験とネットワークを活かし、学校・官公庁・企業での講師・講演活動を精力的に展開。特に北陸地域の中小企業の広報支援や、自治体・企業のブランディングイベントのプロデュースを手がける。
また、社会貢献活動にも力を注ぎ、乳がん啓発を目的とした「かなざわピンクリボンプロジェクト」の立ち上げや、保護猫活動など、地域に根ざした社会貢献事業を積極的に推進。企業としての社会的責任を重視し、起業時からの目標であるコーポレート・ギビング(企業の社会貢献活動)の実現に向けて着実に歩みを進めている。