ブラックコメディーだけど凄い作品力『パラサイト 半地下の家族』

史上初、アジア映画として快挙を成し遂げた、

「パラサイト 半地下の家族」

 

韓国動員1,000万人突破、フランス動員150万人突破、香港・台湾では

歴代パルムドール受賞作品において最多動員数を記録。

さらには6か国で韓国映画の動員記録を塗り替えるなど、

全世界で爆発的盛り上がりをみせる傑作と聞けば

映画ファンなら絶対観にいきたくなります。

かくいう私も公開後、仕事帰りのレイトショーで観にいきました。

一言でいうと、とにかく映画としての完成度が高く圧巻です。

ブラックコメディーだけどいろんな観ていると色々んな側面で

だんだん笑えなくなります。

いろいろな要素が随所に散りばめられていて、何度もいいい意味で

期待を裏切られますし作品に没入していきます。

個人的には韓国映画は恋愛ものを中心に観ていたのですが、

あー・・・ここまで、韓国映画は行ってしまったんだ。。。

とやられた感あります。

そして、遠くはなく日本にも格差社会が訪れるのでは?

と少し、考えさせられました。

 

いい映画作品って、元気をもらったり、ヒントももらったり、

感動したりと感情に訴えかけてくれるものも1つですが、

観終わった後に考えさせられたり、その映画について誰かと話たくなる

ものもいい作品だと思います。

そういう意味でこの映画は

後者の2つの要素を兼ね備えている作品でした。

 

 

解説

「殺人の追憶」「グエムル 漢江の怪物」「スノーピアサー」の監督ポン・ジュノと主演ソン・ガンホが4度目のタッグを組み、2019年・第72回カンヌ国際映画祭で韓国映画初となるパルムドールを受賞した作品。第92回アカデミー賞でも外国語映画として史上初となる作品賞を受賞したほか、監督賞、脚本、国際長編映画賞(旧外国語映画賞)の4部門に輝くなど世界的に注目を集めた。キム一家は家族全員が失業中で、その日暮らしの貧しい生活を送っていた。そんなある日、長男ギウがIT企業のCEOであるパク氏の豪邸へ家庭教師の面接を受けに行くことに。そして妹ギジョンも、兄に続いて豪邸に足を踏み入れる。正反対の2つの家族の出会いは、想像を超える悲喜劇へと猛スピードで加速していく……。共演に「最後まで行く」のイ・ソンギュン、「後宮の秘密」のチョ・ヨジョン、「新感染 ファイナル・エクスプレス」のチェ・ウシク。

2019年製作/132分/PG12/韓国
原題:Parasite
配給:ビターズ・エンド

監督:ポン・ジュノ
出演:ソン・ガンホ イ・ソンギュン チョ・ヨジョン チェ・ウシク パクソダムイ・ジョンウン チャン・ヘジン

                                                                     引用:映画com

 

くみシュランPoint①映画史に刻む偉業を果たした作品

日本国内で興行収入46億円突破、累計動員330万人を超える記録。

トロントやニューヨークなど各国の映画祭で数々の賞を受賞。

72回カンヌ国際映画祭<最高賞>パルムドールを韓国映画として初の受賞。

審査員長のアレハンドロ・ゴンザレス・イニャリトゥは「まったく先が読めない映画」「本作は様々なジャンルがミックスされており、切迫した事柄をユーモラスに描けている」と評し、他の審査員も本作を絶賛、満場一致での受賞だったと明かされました。

さらに、第92回アカデミー賞で、作品賞、監督賞、脚本賞、国際長編映画賞の最多4部門を受賞。

非英語作品(英: Foreign-Language Film)の作品賞受賞は史上初めてのことで

アカデミー作品賞とカンヌの最高賞を同時に受賞した作品は実に65年ぶりだそうです。

ハリウッドが製作に入っていないアジア映画がこれだだけの賞を受賞したことは本当に凄いんです。

パラサイト・半地下の家族は、映画史を変えた

偉業を果たした作品なのです。

 

ちなみに、余談ですが、アメリカで

ドラマ化される事が決定したそうです。

アメリカドラママッチしそうですよね。

 

くみシュランPoint②社会的弱者のリアル

公開されるやいなや、批評家だけじゃかく、パリでの大ヒット。

各国軒並みに観客が詰めかけて、アメリカでは外国映画興行収入の歴代トップ入りを果たすなど、とにかく世界で大ブレイク。

その秘密はこの映画の格差社会、

社会的弱者のリアルという部分がありそうです。

実際、カンヌ映画祭のアレハンドロ・ゴンザレス・イニャリトゥ
審査委員長も、パルムドールに輝いた「パラサイト 半地下の家族」
について、
「韓国を描いた映画だが、同時に世界的にも喫緊の課題をテーマにしており、ここにいる私たちすべての人生と関係のある主題を、ブラックコメディとして巧みに表現している」と評価しています。

韓国では実際に超競争社会であり、超学歴社会であって
決定的な格差を生んでいるのは周知の事実。

ホンジュノ監督はあるインタビューでこの映画の制作動機について

「私が学生時代にも半地下で暮らしている友人がいましたよ。今もソウルには5~10パーセントの人たちが半地下で暮らしているといわれています。彼らの生活は映画でも描きましたが、外から家の中が丸見えでプライバシーもなく、洪水になれば、家の中は泥水であふれ、不衛生で極悪の環境です。そんな恐怖の中で日々暮らしている人たちがいることを、この映画で伝えたかった」と話しています。

旅行などで韓国を何度も訪れたことはありましたが、この映画で半地下で暮らす人がいることを初めて知りました。

 

韓国では「笑えない」とこの映画の事をいう人がいる事も、なんだか納得しました。

そういえば、一昨年のカンヌでパルムドールを獲得した是枝裕和監督の「万引き家族」も日本の極貧家族の目線から現代社会を見た作品でしたよね・・・

 

くみシュランPoint③匂いや光で表現

まさに五感で体感する映画です。だから本当は大きなスクリーンで観て欲しい、

なんと言っても、富裕層と貧困層の2つの格差を匂いと光と陰で表現しています。

一度目の観賞で気づいたのが匂いでの表現。

この映画での重要なポイントです。

ホンジュの監督も言っているように、「匂い」とは親しい中でもなかなか話題にできない私的部分ですよね。

物語が進むに連れて、その表現がエスカレートしていき悲劇を生む引き金となるのですが

 

格差をを匂いで表現し、重要なキーワードにしているのは本質をついていてすごいなと思いました。

表面はいくら繕っても、半地下でしか染み付かない匂い。

どんなに着飾っても拭えない根底部分。

とても深いです。

 

そうして、もう一つは2回目の観賞で気づいた事ですが、

一度目の時に少し引っ掛かりがあったので、答え合わせで発見。

「半地下は暗く、富裕層の家は常に明るい」など、

随所に格差が光で表現されています。

ちなみに、のちのインタビューで監督が答えてましたけど、

線でも格差が表現されている部分も多くあるそうです。

光や線の部分。

このあたりにも気をつけて見るとさらに作品を楽しめるとおもいます。

 

 

 

 

この記事を書いた人

塚本 くみ子

鹿児島生まれ。小さい頃から体が弱く体力もない、幼少期。
小学三年生の時、父の仕事の都合で3年間奄美大島へ。ここで運命が動く。虚弱体質だった少女は自然と太陽がいっぱいの精霊の島で過ごすうちに元気になり、自信をみるみるつけていく。好奇心旺盛ポジティブモンスターの誕生★学生時代は父の仕事の都合で、鹿児島→長崎。その後、大学で上海へ。
広島→石川県のテレビ局でアナウンサー・レポーターとして約20年(現在は一般職)報道から情報番組グルメ番組などのMCを務める、映画関連の番組は業界に入ってからずっと、20年間担当。(現在も担当)元々アジア映画が好きで中国の大学に進んだ経緯もあり。もし、アナウンサーにならなかったら、映画配給会社の宣伝か獣医になりたかった。
映画の番組へのスタイルは一貫して、作品を観て、自らインタビュー取材もするスタイル、その間インタビューさせていただいた方は、ハリウッドから日本映画界まで監督・俳優約200名以上。私の財産です。
年間プライベートも含めて200本以上は観賞。自他共に、認める映画マニア。

そして「食」。食に関しては業界でも聞かれるほどのグルメ。高級なもの方B級まで。食べるのは作るのも食べるのも好き。本人のお店を決める基準はコスパ重視。石川県のゴールデンタイムのグルメ番組を担当していたこともあり、県内のお店には詳しい。プライベートでも、美味しいお店があると聞けば友人とグルメパトロール。また、作ることも好きなので、和食からイタリアンまでプロの料理人に料理を習い、自宅でも食べることを楽しむ。日本だけにとどまらず、美味しいお店を探してのグルメパトロールはヨーロッパやアジアへ。そして、旅行先では必ず現地の料理教室に通い、徹底的に食を楽しむ。
また、番組でも定評があったのは食べる所作の美しさ。これはマナー教育の賜物。実は、国際プロトココルマナー講師の資格を持つ(世界で通用するマナー)現在はセンスを磨くために国際イメージコンサルタントの資格に向け勉強中。自分に栄養を与えるのが大好き。人か喜んでくれることも大好物。
また、海外の大学在学中に学んだ漢方の知識を生かして、薬膳料理の資格も取得。(一昨年は、台湾でショートホームステイし、薬膳料理のブラッシュアップも)また、最近はサプリメントも勉強中。食だけでは補えない栄養素のを学び中。