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2026.09.04 / 声と話し方

オンライン会議で「声が遠い」と言われる方へ。画面越しに届く話し方

オンライン会議で「声が遠い」と言われてしまう方へ。声を張るのではなく、マイクとの距離・顔の向き・話し出しの半拍で届き方が変わります。放送の現場で気をつけていたことを、画面越しの会議に置き換えてご紹介します。

オンライン会議で「声が遠い」と言われる方へ。画面越しに届く話し方

オンラインの会議が終わったあと、「すみません、少し声が遠かったです」と言われる。

音量は上げているはずなのに、なぜか自分の声だけ聞き返される。

そんな経験、ありませんか。

私も、放送の現場を離れてオンラインの打ち合わせが増えた頃、同じことを言われました。

マイクの前に座っていた年数だけは長いのに、画面越しになると勝手が違うんですね。

原因を一つずつ見ていくと、声の大きさとはあまり関係のないところに理由がありました。

今日の見方「声が遠い」と言われるのは、声量ではなく、マイクとの距離と話し出しの速さで起きていることが多いです。機材を買い替える前に、座り方と間の置き方を整えます。

「声が遠い」と言われるのは、声量の問題ではないことが多いんです

対面の会議なら、声は部屋の空気を伝って相手に届きます。

少し小さくても、口の動きや表情が補ってくれるんですね。

ところが画面越しでは、マイクが拾った音だけが相手に渡ります。

拾えなかった部分は、そのまま消えてしまう。

研修でこの話をすると、「だから最後の言葉だけ聞き返されるんですね」と言われることがあります。

声を張って解決しようとすると、今度は音が割れて、かえって聞き取りにくくなってしまいます。

大きくするより、届かせる。強くするより、近づける。押し出すより、置きに行く。

画面越しの声は、その順番で整えるほうが早いように思います。

よくある場面 01

話しているうちに背もたれへ寄りかかり、マイクから遠ざかっている。

よくある場面 02

資料を見ながら話すので、顔が下を向いて声が机に落ちている。

よくある場面 03

話し出しが早く、最初のひと言がまるごと拾われていない。

画面越しでは、こんなところで届きにくくなります

いちばん多いのは、距離です。

話に熱が入るほど身振りが大きくなり、体は少しずつ後ろへ下がっていきます。

自分では同じ声量のつもりでも、マイクから離れれば、相手が受け取る音は小さくなるんですね。

次に、顔の向きです。

手元の資料やメモを見ながら話すと、声は正面ではなく机に向かって出ていきます。

そして、話し出しの速さ。

「じゃあ、私から」と言い終わってから、相手の回線に音が届くまでには、わずかな遅れがあります。

その遅れのなかに最初のひと言を置いてしまうと、相手には話の途中から聞こえることになります。

今日から試せる、3つの整え方

難しい設定は要りません。

会議が始まる前の1分でできることばかりです。

こぶし1つ分、マイクに近づく

浅めに腰かけて、机に少しだけ体を寄せる。

背もたれに寄りかかった姿勢は、楽ではあるのですが、そのぶん確実に遠ざかっています。

会議のあいだじゅう前のめりでいる必要はありません。

自分が話す番になったときだけ、体を起こす。それで十分です。

顔を、画面の高さまで上げる

資料は画面の中で共有して、視線を下げずに済む形にしておきます。

台に本を数冊重ねてパソコンを持ち上げるだけでも、声の向きは正面に戻ります。

うつむいたまま話すと、喉も締まりやすくなるんですね。

姿勢を直すことが、そのまま声のケアにもなります。

話し出す前に、半拍待つ

ミュートを解除してから、ひと呼吸置いて話し始めます。

この半拍が、回線の遅れを吸収してくれます。

間の使い方そのものについては、一本調子から抜け出す。伝わる話し方の「間」の作り方でも触れました。

届きにくい話し方
熱が入るほど体が後ろへ下がり、資料を見ながら早口で話し出す。
届きやすい話し方
浅く腰かけて画面と正対し、ひと呼吸置いてから最初の一文を置く。

大事な話の前に、伝える順番を決めておく

ここまでは、体の置き方の話でした。

もうひとつ、私が気をつけているのは、話す内容の順番です。

画面越しでは、相手の表情から「伝わっているかどうか」を読み取りにくくなります。

対面なら、うなずきや目線を見ながらこちらが速さを調整できる。

けれどオンラインでは、その手がかりがぐっと減ります。

ですから、いちばん伝えたい一文を先に置いてしまいます。

「結論から言うと、A案で進めたいです」

そのあとで理由を添えるほうが、途中で音が途切れても意味が残るんですね。

声そのものを大きくしなくても、届いたことになる。

そう考えると、少し気持ちが楽になりませんか。

本番前の準備 01

浅めに腰かけて、画面と正対する。

本番前の準備 02

資料は画面の中で共有し、視線を下げない。

本番前の準備 03

ミュートを解除してから、ひと呼吸置く。

本番前の準備 04

いちばん伝えたい一文を、先に決めておく。

機材を変える前に、できることがあります

外付けマイクやヘッドセットを勧められることもあると思います。

道具で解決する場面は、もちろんあります。

ただ、買い替えたのに変わらなかった、という話も研修でよく伺います。

距離と向きと間が整っていないと、性能の良いマイクは「手元の物音まで丁寧に拾う機械」になってしまうからです。

先に、座り方を見直す。

それでも聞き返されるようなら、そのときに道具を足す。

順番を逆にしないほうが、遠回りにならないように思います😊

声の届き方そのものが気になる方は、声が小さいと言われる人へ。無理に大声を出さずに届く声を作るコツもあわせてご覧ください。

よくある質問

オンラインだと声がこもって聞こえると言われます
マイクに近づきすぎている可能性があります。こぶし1つ分ほど離し、正面から話してみてください。
イヤホンのマイクでも大丈夫でしょうか
口元との位置が安定するので、内蔵マイクより向いていることが多いです。近づけすぎないほうが自然に聞こえます。
大人数の会議で、発言そのものが埋もれてしまいます
話し出しの半拍と、最初の一文に結論を置くこと。この2つで受け取られ方は変わってきます。

次のオンライン会議では、まず浅めに腰かけるところから試してみていただけたらうれしいです。

塚本くみ子

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