一日中会議が続いた日の夕方、喉の奥がイガイガして、声がかすれてくる。
そんな経験、ありませんか。
私も長く声を使う仕事をしてきましたが、以前は「たくさん話したから疲れて当たり前」と思っていたんです。
でも実際は、話した量よりも、話し方のクセと、話したあとの過ごし方のほうが大きいんですね。
今日は、喉をなるべく疲れさせない話し方と、声を休ませる時間の作り方をお話ししますね。
話し終わったあと、声がかすれていませんか
研修や講演で一日話した日の夜、声が低く重くなって、翌朝はガラガラ。
そんな日が続くと、「この先ずっと声を使い続けられるのかな」と、少し不安になりますよね。
私自身、アナウンサーとして毎日マイクの前に立っていた頃は、喉の疲れは仕事の勲章くらいに思っていました。
若さで押し切れていたんですね。
でも研修講師として人前で話すようになってから、考え方が変わりました。
喉が疲れるのは、頑張った証ではなくて、力の入れどころがずれているサインかもしれない。
そう気づいてから、話し方と休ませ方の両方を見直すようになったんです。
この記事でお伝えしたいこと ・喉の疲れは「話した量」より「力の入れどころ」で変わってきます ・声を守る工夫は、息・高さ・間(ま)の3つを意識すれば十分です ・話したあとに声を休ませる時間をつくることが、いちばん地道で確実です
喉が疲れやすい方に、よくある3つのクセ
研修で受講者の方の話し方を伺っていると、喉が疲れやすい方には、似たクセがあるように感じます。
- 声を届けようとして、喉そのものに力を込めてしまう
- 最初から最後まで、同じ高さ・同じ速さで話し続けている
- 息を継ぐ間がなく、ひと息で長く話し切ろうとしている
どれも、「ちゃんと伝えなきゃ」という真面目さから来ているんですよね。
手を抜いている方には、まず起きないクセなんです。
だからこそ、意識ひとつで変えられる部分でもあります。
声を守る話し方、3つの工夫
発声を一から鍛え直す、という大きな話ではありません。
明日の会議から試せる、小さな工夫をご紹介しますね。
工夫1:喉ではなく、息にのせる
声が届いていない気がすると、私たちはつい喉を締めて音量を上げようとします。
でも、そこに力を入れるほど、声は硬く、細くなっていくんですね。
おすすめしているのは、話す前に一度、肩を落として息を吐き切ることです。
吐き切ると、次の息は自然と深く入ってきます。
その深い息に言葉をのせるつもりで話し出すと、同じ声量でも喉の負担が軽くなるのを感じられるのではないでしょうか。
工夫2:声の高さを、一本にしない
緊張している場面ほど、声は同じ高さに張りついてしまいます。
ずっと同じ音を出し続けると、喉の同じところばかりを使うことになりますよね。
大事なところは少し低く、ゆっくり。明るい話題は少し高く。
そんなふうに高さが動くだけで、使う場所が分散されますし、聞いている側も内容が入ってきやすくなりますよ。
工夫3:間(ま)をこわがらない
沈黙が怖くて、話をつなげ続けてしまう。
これは、本当に多くの方が抱えているクセだと思います。
でも、間は空白ではないんです。
話し手にとっては息を入れる時間で、聞き手にとっては受け取る時間なんですね。
一文話したら、句点でひと呼吸。
たったそれだけで、喉を休ませながら話し続けることができます。
私も現場で「間が持たない」と焦っていた時期がありましたが、意識して間を置くようにしてから、一日話したあとの疲れ方がずいぶん変わりました。
話したあと、声を休ませる時間をつくる
話し方の工夫と同じくらい大事なのが、話し終えたあとの過ごし方です。
喉を使った日ほど、そのまま会食や長電話に流れてしまうこと、ありませんか。
話したあとの小さな習慣
- 常温の水か白湯を、少しずつこまめに含む
- 声を使った日は、意識して「話さない時間」を30分つくる
- 声を張らずに済む場所へ移る(騒がしい店内を避ける)
- 翌朝は、起き抜けにいきなり話し始めない
最後の項目は、私が実際に続けていることです。
起きてすぐの声は、まだ整っていません。
そこで無理に話し始めると、その日一日、どこか無理をした声のまま過ごすことになるんですね。
朝は白湯を飲んで、静かに体を起こしてから声を出す。
順番を変えただけで、朝いちばんの声の出方が変わったように感じています。
一日の流れにすると、こうなります
話す予定のある日は、こんな流れを頭に置いておくと迷いません。
話す前に息を吐き切る → 高さを動かしながら話す → 一文ごとにひと呼吸 → 話し終えたら30分黙る
特別な道具も、まとまった時間もいりません。
順番を意識するだけです。
無理をしない、という判断も
ひとつだけ、お伝えしておきたいことがあります。
ここでご紹介したのは、あくまで話し方と過ごし方の工夫であって、喉の不調そのものへの対処法ではありません。
声のかすれや喉の痛み、違和感が長く続くとき、以前と明らかに声が変わったと感じるときは、発声の工夫で乗り切ろうとせず、耳鼻咽喉科など専門の医療機関にご相談ください。
声は、体の状態がそのまま出る場所です。
休むという選択も、声を長く使い続けるための立派な準備だと思っています。
まとめ|声は、守りながら使える
喉が疲れるのは、声が弱いからでも、年齢のせいだけでもありません。
息にのせる、高さを動かす、間を置く。
そして、話し終えたら休ませる。
この4つを意識するだけで、一日話したあとの喉の感じ方は変わってくるのではないでしょうか。
声は、使えば減っていくものではなくて、守りながら育てていけるものだと感じています。
次に長く話す予定があるとき、まずは「一文ごとにひと呼吸」だけでも試してみていただけたらうれしいです。
お問い合わせ
声や話し方についてのご相談は、お気軽にお問い合わせください。
